フィルム貼付時の熱割れを防ぐ!熱割れの原因と防止策
本記事では、熱割れの原因とその発生メカニズムを明らかにし、どのようにしてこれを防ぐのか、熱割れリスクに注意が必要なガラスの種類や、適切なフィルム選び方や取り付け方法についてご紹介します。また、遮断熱フィルムの有効性や安全かつ効果的なフィルムの施工方法をご紹介します。具体的な施工事例やお客様の声も交え、リアルな視点から本記事を通じて、熱割れリスクを軽減させるための具体的な実践策を見て最適な方法を見つけてください!
ガラスの熱割れとは?
ガラスの熱割れとは、ガラスが急激な温度変化によって割れる現象を指します。これは特に日常生活や建築物において、時折問題となることがあります。ガラスの温度差によって熱割れが発生します。熱割れは外部からの衝撃なしで発生するため、一見すると原因が分かりにくいことが特徴です。
熱割れの発生メカニズム
熱割れは、以下のようなメカニズムで発生します。ガラスは直射日光によって温まった部分が膨張します。一方でサッシに埋め込まれた部分のガラスは日射熱が当たらず温度が上がりません。この温度差で引張応力が発生し、この引張応力の許容強度を超えるとガラスの熱割れが起こりやすくなります。
熱割れの要因
熱割れの主な要因としては、以下が挙げられます。(※必ず熱割れするわけではありません。)
・ガラスの厚さが厚い
・ガラスの面積が大きい
・ガラス面の日影が濃い
・複層ガラスやLow-Eガラス、網入りガラス
・カーテン有無や、ガラスとカーテンの距離
・窓の方位やガラスの種類 等
また、冷房が効きすぎた部屋と炎天下の窓外など、内外の温度差も重要な要因です。特に大きなガラスや厚みのあるガラスは、この温度変化の影響を受けやすいため、より注意が必要です。
ガラスの種類による影響
建築板ガラスにもたくさんの種類があり、それぞれに違った特性があります。そのためガラスの取り扱いやフィルム貼付の注意点を把握しておくことが重要です。また、ガラスの種類によっては熱割れにも起因するため、フィルム選定時に熱割れリスクを考慮することが重要です。
ガラスの種類と特徴
ガラスには、透明度や耐熱性、強度、断熱性などの特性に応じた多様な種類があります。代表的なものとして、フロートガラス、強化ガラス、合わせガラス(防犯ガラス)、複層ガラス、網入りガラスなどがあります。
・フロートガラス・・・一般的に最も多く普及されているガラスです。
・強化ガラス・・・加熱・急冷によって強度を高めたもので、衝撃や熱変化に対する耐性が増します。
・合わせガラス・・・中間にフィルムや樹脂などの特殊皮膜を挟んだガラスで、安全性が求められる場所で使用されます。
・複層ガラス・・・ガラスとガラスの間に空気やアルゴンガス等の層を作り、断熱性や防音性を高めたもので、エネルギー効率を改善したい住宅やオフィスに適しています。
・網入りガラス・・・主に火災時のガラス弾け割れ防止の目的で使用されています。
熱割れリスクが高いガラス
熱割れのリスクはガラスの種類によって異なります。特に複層ガラスやLow-Eガラスは、熱を吸収するため、日照の強い場所では特に熱割れが発生しやすくなります。網入りガラスはガラス内にスチール線が入っているため構造上強度(許容応力)がフロートガラスに比べ6割程度しかありません。そのため、遮断熱フィルムを貼付する際は細心の注意が必要です。また、よくお客様からご質問いただくのですが、網入りガラスは防犯ガラスではありません。昨年の夏、網入りガラスが猛暑による影響により熱割れしてしまう問題がありました。原因としましてはガラス内のワイヤーの熱膨張によるものだと考えられます。屋外側から遮熱ミラーフィルムを貼ると熱を反射し、夏場の熱割れリスクを低減できます。
熱割れを防ぐための基本的な対策
熱割れは見た目に大きな影響を与えるだけでなく、危険を伴うこともあり、適切な対策が重要です。熱割れを防ぐための基本的な手法として、フィルム選びと取り付け方法について説明します。
熱割れ計算による適切なフィルム選び
熱割れを防ぐ方法として、ガラスに貼るフィルムを適切に選ぶことがとても重要です。何百種類とあるフィルムごとに熱の吸収率や反射率が異なるため、その特性を理解することが重要です。熱割れ計算とは、ガラスやフィルムの特性を基に、どのフィルムが最適かを判断するための手法です。具体的には、フィルムの熱吸収率や太陽光の影響、ガラスの厚みなど様々な環境を考慮して選ぶ必要があります。適切に選ばれたフィルムは、ガラス内部の温度を一定に保ち、急激な温度変化を防ぐのに役立ちます。しかし、フィルムの選び方次第では逆効果となり、ガラスがより熱ストレスを受けやすくなることも考えられます。そのため、フィルムの専門家に熱割れ計算を依頼することが推奨されています。
取り付け方法
ガラスフィルムを効果的に使用するためには、取り付け方法にも注意が必要です。フィルムの取り付けには技術が求められるため、適切な施工方法が必要となります。フィルムの端が浮き上がることがないよう、正確な貼り付けやフィルムとガラスの間に気泡やほこりが入らないようガラスの全体が均一に覆われるように施工することで、見た目も綺麗に仕上がります。DIYで施工することも可能ですが、プロの施工者に依頼することで、より安全で外観も綺麗に仕上がります。
★知って得する豆知識★
ホームセンターやネット通販でも窓ガラスフィルムを購入することはできますが、貼付の可否で「網入りガラス×」「Low-Eガラス×」などと記載されているかと思われます。市販品では自身での熱割れ計算ができないため「念のため×」という意味で表記されておりますが、実際は網入りガラスやLow-Eガラスでも貼付可能なフィルムがございます。そのため、まずはプロに熱割れ計算の相談をすることがおすすめです!
遮熱・断熱フィルムの利用
遮熱・断熱フィルムは、窓ガラスを通して入る太陽光の熱を軽減、または冬場の窓から逃げていく熱を軽減するための特殊なフィルムです。主に住宅やオフィスビルで使用され、省エネ効果や居住空間の快適性向上が期待されます。遮熱・断熱フィルムは、エネルギー効率向上の重要な手段であり、年間を通じて空調費の削減にも寄与します。
遮熱フィルムの効果
遮熱フィルムの主な効果は、太陽光の日射熱を反射または吸収することで、室内温度の上昇を防ぐことです。これにより、エアコンの使用頻度が減少し、エネルギー消費が削減されます。通常、遮熱フィルムは30%から70%程度の熱を遮断でき、特に夏場における冷房費を大幅に削減することが可能です。また、紫外線も同時にカットする効果があり、室内の家具や装飾品の色褪せを防ぐという利点もあります。さらに、遮熱フィルムは目隠しの効果の性能が付随しているものもあるので、プライバシーの確保にも一役買っています。
夏季の建物への熱の流入率と遮熱フィルムの効果
\夏場の室内に入ってくる熱は73%が窓ガラスから!/
エアコンの設定温度を1℃上げると、冷房時は約13%の節電効果があると言われています。
断熱フィルムの効果
屋外側と屋内側の温度差による熱損失軽減に対する性能を断熱性能と言います。断熱フィルムは室内の暖かさを外へ逃がさない保温効果を高めることができます。窓ガラスから室温が逃げ出す量を少なくすれば、暖房負荷を軽くすることができ省エネにも役立ちます。また、断熱フィルムには遮熱フィルムの効果も備わっているので年間を通して活躍できるフィルムです。
冬季の建物への熱の流出率と断熱フィルムの効果
\冬場の室内の暖気が逃げていくのは58%が窓ガラスから!/
エアコンの設定温度を1℃下げると、暖房時は約10%の節電効果があると言われています。
施工事例
ガラスの熱割れ防止対策を取り入れた実際の施工事例を紹介します。
断熱フィルム施工事例の紹介
Before↓(左面施工済)
After↓
千葉県大網白里市の高齢者向け住宅での施工事例になります。
暑さ・寒さ対策+節電対策+入居者様・職員さんの安全対策(災害時等)としてご依頼いただきました。現地調査時に省エネ計算をさせていただき、当初予定していたフィルムが熱割れ計算の結果熱割れリスクが高く、代わりにご提案させていただいた中から費用対効果含め【NS70LE】をお選びいただきました。大きいFIX窓に関しては、フィルムの規格サイズの関係で1枚のフィルムでは大きさが足りないため、フィルムをつなぎ合わせるジョイント施工をさせていただきました。施工の完了したお部屋の入居者様から「暖かさが違うね」とお声がけいただいたり、職員の方には「暑さ・寒さでカーテンを閉めたままの時間が多かったけどこれで外の景色も見せてあげられるから嬉しい」などと大変励みになるお言葉をいただきました。
遮熱フィルム施工事例の紹介
神奈川県平塚市のお客様宅での施工事例になります。
プライバシー対策としてご依頼いただきました。今回のお客様は、ご自宅前の集合住宅と通りの目線を対策したいとのご相談でした。日中は室内から外が見え、外からは室内が見えないフィルムをご希望でしたので、ミラータイプのフィルムを色々とご提案させていただいた中から熱割れ計算の結果、外貼りでの施工となりタクミの【GLAFIL-RSP15EX】をお選びいただきました。(※環境にもよりますが、外貼りフィルムの耐用年数は5~7年となります。)施工完了後、大満足ですと仰っていただけて私達もとても嬉しかったです。
ヨリ窓は現地調査・熱割れ計算・お見積り無料です!
ホームセンターやネット通販でも窓ガラスフィルムを購入することはできますが、貼付の可否で「網入りガラス×」「Low-Eガラス×」などと記載されているかと思われます。市販品では熱割れ計算ができないため「念のため×」という意味で表記されておりますが、実際は網入りガラスやLow-Eガラスでも施工可能な場合がございます。そのため、まずはプロに熱割れ計算の相談をすることをおすすめしています。
弊社は現地調査をしてお見積りをお出しした結果、「やっぱりやめようかな」というご選択も全く問題ございません。ご納得いくまでご検討していただけたらと思います。フィルムを貼ろうか迷っている方はお気軽にヨリ窓へお問い合わせください。お客様のご予算やご要望に応じて最適なフィルムをご提案させていただきます。
窓ガラスフィルム施工 ヨリ窓
☎:090-3560-7265
✉:info@yorisou.link
営業時間:9:00~21:00(不定休)※メール・LINE・DMでのお問い合わせは24時間受け付けております。
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