網入りガラスは、防火を目的としたガラスのため、多くの家庭や施設で使用されていますが、防犯効果はないことを知っていますか。本記事では、網入りガラスの基本的な構造やその特性を理解し、なぜ防犯効果がないのかを解説します。適切な防犯対策が選択できるように、ぜひ本記事をご活用ください！

網入りガラスの基本

網入りガラスは、一般住宅やオフィス、商業施設のなど多くの建物に使用されています。

このガラスは、中に金属製のワイヤーメッシュが組み込まれているのが特徴で、安全性を高める役割を果たします。網入りガラスは、火災時にガラスが破損しても、その破片が飛び散るのを防ぐ目的で考案されました。

網入りガラスとは何か

網入りガラスは、通常のガラスに金属製の網を挟み込んだ構造を持っており、万が一ガラスが割れても砕け散らないように設計されています。

この内部のワイヤーメッシュは、高温や衝撃に対する耐性を向上させる効果があります。網入りガラスは、防火を目的としたガラスのため、消防法等で設置義務のある箇所に使用されています。

効果と期待されている役割

網入りガラスは、主に火災時の安全対策として広く利用されています。

炎が直接ガラスに接した場合でも、ワイヤーメッシュがその形状を保ち、大きな破片が飛散するのを防ぎ、延焼を遅らせる効果が期待できます。

また、これにより避難時の安全性が確保されやすくなります。一方で、網入りガラスはそれほど強度がなく、突風で看板などがぶつかったらすぐに砕けてしまうため、網入りガラスを防犯目的で利用することは推奨されていません。

より安全に配慮し、防犯フィルムや飛散防止フィルム、防災フィルムを貼って対策する方も増えてきています。

防犯効果がない理由

住宅やオフィスに網入りガラスを使用する際に、防犯効果を期待する声があるでしょう。しかし、網入りガラスの防犯効果はないことが分かっています。ここでは網入りガラスが防犯効果を持たない理由について解説します。防犯対策について正しい知識を持つことが重要です。

網入りガラスの構造的特性

網入りガラスの主な目的は、火災時の安全性を高めることにあります。

このガラスはガラス板の内部に金網が封入されており、通常のガラスに比べてガラスが大きく飛び散りにくい特性を持っています。しかし、ガラス自体の強度が向上しているわけではなく、外部からの衝撃にも耐えうる防犯用の設計とは異なります。仮に細かく割れたとしても、金網がガラスの欠片の飛散を防ぐため、飛散防止の効果はありますが、侵入を物理的に防止する能力はありません。

ガラス破損時のリスク

網入りガラスは、一度衝撃を受けて破損すると、その脆弱性が明らかになります。

網によってガラスの欠片の飛散は防がれるものの、ガラス自体の強度に変わりはありません。事実、網入りガラスは割れた際に飛び散らず、大きな音も抑えられるため侵入者にとって最も好都合な侵入経路と言われています。

また、特定の工具を使用すれば、破損したガラスから金網を簡単に取り除くことも可能です。このため、実際には網入りガラスは防犯に適した素材ではないことが分かっています。

防犯対策の具体例

自宅やオフィスにおける防犯対策は、ますます重要性を増しています。防犯対策は家庭の安全を確保し、不審者による侵入を未然に防ぐために不可欠です。

しかし、何を選択すべきか迷うこともあるかもしれません。ここでは、効果的な防犯対策の選択肢として、網入りガラスへの具体的な防犯対策について解説します。

効果的な防犯対策の選択

効果的な防犯対策を選ぶ際には、まず自宅やオフィスの弱点を見極めることが重要です。

例えば、窓や玄関ドアといった侵入経路を強化することは有効です。侵入経路で一番多いと言われているのは、玄関の鍵の閉め忘れの次が、窓ガラスからの侵入です。

強度のあるドアロックや物理的な障害物を設置することが推奨されます。最近では、スマートホームセキュリティシステムが登場し、カメラ付きドアベルやスマートロックで異常を検知することも可能です。

防犯フィルムの使用

網入りガラスは一見すると防犯効果が高いと思われがちですが、実際にはそうではありません。そのため、防犯対策を検討することをお勧めします。

例えば、防犯フィルムを窓ガラスに貼ることで、ガラスの耐貫通性を高めることができます。施工には専門家に依頼するのが安心です。

侵入者が建物内への侵入を試みて、侵入に５分以上かかると約7割が諦めると言われています。そのため、侵入経路として使われる窓ガラスを破らせないことが重要なんです！(※下記円グラフ)

ＣＰマーク認定を受けられる防犯フィルムは打ち破り試験、こじ破り試験、焼き破り試験の結果、抵抗時間が５分以上であることが確認されたものを「防犯性能が高い建物部品」と定義し、ＣＰ認定された防犯フィルムとして全国各地に普及しています。

防犯フィルムを検討される場合は、ＣＰ認定された防犯フィルムがおすすめです。

防犯強化のための追加施策

既存の防犯対策をより効果的にするには、追加対策が必要です。

防犯ライトの設置は、侵入者に心理的なプレッシャーを与える効果があります。

また、近年ではセンサー付きのライトやカメラが普及していますので、これを活用するのも有効です。また、防犯ブザーを設置して音で侵入者を驚かせることも一つの手段です。

さらに、地域での連携も防犯対策の一環として推奨されます。隣人同士での情報共有や見回り活動を行うことで、地域全体の安全性を高めることができます。