高い塀は空き巣に狙われやすい?警察データで分かる危険な外構と防犯対策
高いフェンスや外構は空き巣に狙われやすい?それとも安全?データからわかる正しい防犯対策
「高い塀で囲えば安心」「目隠しフェンスがあれば見られないから安全」——そんなふうに思っていませんか?
実は、“高さ重視の外構”が逆に空き巣にとって都合の良い環境になるケースは少なくありません。
本記事では、
- 警察庁・都道府県警が公表している統計
- 民間の某警備会社(大手)の防犯アドバイス
- 侵入窃盗の実際のデータ
を参考に、「高い塀やフェンスは空き巣に狙われやすいのか?」を専門的かつやさしく解説します。
結論|高い塀=安全ではない。見通し+“侵入しにくさ”が最重要
結論として、高い塀や目隠しフェンスだけでは防犯にならないことが多いです。
- 外から敷地内が見えない家は空き巣にとって隠れやすい
- 格子フェンスなど見通しの良い外構は空き巣が嫌う
- 侵入に時間がかかる環境=狙われにくい家
つまり、防犯に必要なのは「高さ」ではなく「視認性」と「侵入に時間がかかる工夫」です。
データでわかる空き巣の行動|狙うのは“見えない場所”と“壊しやすい窓”
侵入口のトップは「窓」
警察庁の犯罪統計では、住宅侵入の半数以上が「窓」からの侵入とされています。
そのため、
- フェンスの高さだけでは防犯には不十分
- 窓まわりの防犯(フィルム・補助錠)が最重要
“5分の壁”|5分耐えれば約7割の空き巣が諦める
警察庁の調査では、
- 侵入に5分かかると約7割が諦める
- 10分で約9割が諦める
というデータが示されています。
つまり「侵入に時間をかけさせる仕組み」が防犯の核心です。
高いフェンス・塀が“狙われやすくなる”3つの理由
1. 目隠しが“犯人の作業スペース”になる
民間の某警備会社の防犯アドバイスでは、
「高い塀や生け垣で見えない家は、犯行中に発見されにくく狙われやすい」
と注意喚起されています。
- 割る作業が見られない
- 身を隠して侵入できる
2. 実際の犯人も“見えにくい家”を狙うと証言
都道府県警の聞き取り調査では、
「塀や植栽で隠れられる家を狙う」
という生々しい証言が多数あります。
=見えにくい外構はむしろ危険
3. クローズ外構は侵入後の“死角”が多くなる
門扉や塀で囲うクローズ外構は、
- 侵入後は外からの視線ゼロ
- 作業がし放題になる
というリスクがあります。
正しい対策がないクローズ外構は逆効果になることも。
防犯性を高める外構づくり|ポイントは「視認性」と「時間稼ぎ」
1. 格子フェンス・メッシュフェンスで“見通し良く”
おすすめは、
- 高さ控えめ+格子(メッシュ)タイプ
- 部分的な目隠しはOK(全面はNG)
空き巣は人の目線を最も嫌います。
2. 植栽は“剪定”が防犯になる
警察が推奨する防犯環境の整備には、
「植栽を剪定し、隠れ場所を作らない」
ことが含まれます。
- 腰〜胸の高さ以下に
- 密度を下げて光を通す
3. 足場になる物は置かない
- 室外機
- 物置
- 脚立・ゴミ箱
これらは塀・ベランダへの踏み台になります。
4. センサーライト・防犯砂利は効果抜群
- ライト=姿を照らす
- 砂利=近づくと音が出る
この2つは空き巣が最も嫌がる要素です。
あなたの家は狙われやすい?外構セルフチェック
以下に当てはまる数が多いほど要注意です。
- □ 道路から庭・窓がほぼ見えない
- □ 高い塀や生け垣で囲まれている
- □ 夜になると庭が真っ暗
- □ 密な植栽で人が隠れられる
- □ 窓に防犯フィルム・補助錠がない
- □ 塀の近くに登れる物が置いてある
3つ以上なら改善の余地ありです。
まとめ|“高さ”よりも“見える”+“時間をかけさせる”が最強の防犯
- 高い塀・生い茂った植栽は空き巣の隠れ場所になり逆効果
- 格子フェンスなど見通しが良い外構は狙われにくい
- 侵入に5分かかれば約7割の犯人が諦める
- 窓の防犯(防犯フィルム・補助錠)が最重要
- 光・音(ライト・防犯砂利)でさらに抑止力UP
防犯は「高さ」より「視線」、そして「侵入に時間がかかる家づくり」が鍵です。
外構だけでなく、「窓」も合わせて対策することで、空き巣が最も嫌がる“入れない家”をつくることができます。
よくある質問(FAQ)|高いフェンスと空き巣対策
Q1. 高い塀や目隠しフェンスがある家は空き巣に狙われやすいの?
A. はい。外から敷地内が見えないほどの高い塀や植栽は、犯人にとって「隠れて作業できる場所」になりやすく、侵入の痕跡や姿が周囲に見えにくいため、狙われやすくなる傾向があります。
Q2. どんなフェンスが防犯に効果的ですか?
A. 高さよりも「見通し」が重要です。格子やメッシュタイプのフェンスは、犯人が隠れにくく、通行人の目線が届きやすいため空き巣が嫌います。部分的な目隠しは問題ありませんが、敷地全体を覆う“壁”は避けるべきです。
Q3. クローズ外構は安全じゃないの?
A. クローズ外構は侵入のハードルは上がりますが、一度中に入られると外から見えにくいため、犯行がしやすくなります。防犯カメラ、照明、砂利など「発見・音・視線」を組み合わせることで効果が上がります。
Q4. 空き巣はどこから侵入することが多いですか?
A. 警察庁の統計では一戸建ての侵入経路は「窓」が最も多く、次いで表出入口です。フェンスや塀がどんなに立派でも、窓が無防備な家は狙われやすいです。
Q5. 具体的にどんな対策が有効ですか?
A. 以下の組み合わせが非常に効果的です:
・格子フェンス+植栽剪定で見通しを確保
・人感ライトや防犯砂利で接近を可視化
・窓に補助錠、防犯フィルム、または防犯ガラス
・侵入に5分以上かかる仕組みをつくる(「5分の壁」)
Q6. 防犯フィルムは空き巣対策として意味がありますか?
A. はい。防犯フィルムはガラス破りを遅らせることで、犯人が嫌う「時間」を作ります。補助錠やライトと合わせることで、侵入をあきらめさせる確率が大幅に上がります。
Q7. 外構リフォームをしたいけどプライバシーも守りたい場合は?
A. “全面目隠し”ではなく、道路側や窓前など「部分的に守りたい場所だけ」遮るのが理想です。残りは格子フェンス・植栽の低メンテ管理・センサーライトなどで防犯性を高めます。
※本記事は、警察庁・都道府県警が公表する防犯資料、および民間の防犯サービス会社(某警備会社)の一般向けアドバイスをもとに構成しています。