高層マンショの住まいは眺めが良く、交通の騒音からも隔離されているという利点がありますが、暑さには悩まされることが少なくありません。

高層階特有の暑さの原因

都市部の高層建築では、特有の暑さがよく問題となります。高層階に住むことで得られる素晴らしい眺めと引き換えに、住人はしばしば季節を問わず暑さに悩まされます。

熱がこもりやすい理由

熱が高層階にこもりやすい理由として、建物の設計と立地条件が挙げられます。高層ビルや高層マンションは、建材として使われるガラスやコンクリートが太陽熱を吸収しやすい性質を持っているため、一旦建物が温まるとその余熱が夜間まで残ります。また、上層階では地面からの距離が遠くなるため、地からの熱の反射や風の自然な流れを受けにくくなります。このため、物理的に熱が逃げにくくなり、暑さがこもりやすくなるのです。さらに、エレベーターホールやエントランスの設計上の制約による空気の滞留も、この問題を助長しています。

窓と日差しの影響

高層階では窓の存在が特に影響を及ぼします。窓ガラス自体が太陽光を直接受けやすく、その結果として部屋の中の気温が上昇する原因となります。特に南向きの窓が多い場合、日中に受ける日差しの強さが増し、建物内の温度を大幅に引き上げる要因となります。二重窓や断熱性の高い窓の設置が進んでいるとはいえ、開放的なデザイン重視の窓配置では、遮熱性能が不十分な場合があります。これにより、高層階の住居では、特定の時間帯における日射量の増加が開放感と相まってより強い熱ストレスを生み出します。